魔人探偵脳噛ネウロ

ネタバレなので単行本派は飛ばしてくれ。あと、先週の話なので時期もはずしております。

ただ思う、「笛吹がカッコイイ」と。
登場初期はただの堅物の警察官で、探偵であるネウロの邪魔者でしかなかったこのキャラの成長ぶりはなんだと。
警察は法を守るものである、秩序を守るものである。それゆえ自ら法を犯すことは問題外であったはず。そう、かつての笛吹にとってはそうだったのだ。
しかし、今は違う。守らなければならないものがある。取り締まらねばならない悪がある。そのためには手段を選ばない。そう決意させたのは他ならぬ友人の笹塚であったわけで。

しかもいきなり変わったわけではない。いつだったかの事件のときも「汚いものを始末するのに慣れた」などと、自分のポリシーのみに生きるのではなく、少しづつ自分の正義についてのスタイルを省みる描写があったわけだし。
ただの嫌味キャラで終わらせることなく、「人」というものをきちんと描いていった非常に自然な流れになっているのがまたすごい。

ちょっと視点を変えてみる。
とかく人が死ぬことが少なくなった最近のジャンプですが、その中でネウロは重要人物である「笹塚の死」というものを彼がいなくなることで周りに与える影響というもの「だけ」を描いて終了させてます。(弥子の件はさすがにしょうがないところがありますが)これはかなりの英断かと。普通であれば死という悲しさを前面に押し出してくるものだと思ってましたが、そうではない。彼の残したものは「信念」。これが石垣などほかの仲間に伝播し職務をまっとうすることに繋がっている。その代表が笛吹なわけで。

閑話休題。やや腐的な表現になりますが、笛吹と笹塚の仲のよさもうまく表現されてるなと思います。本来相容れない2人の性質が、片方がいないことによって両方を補うものに変化したという結果が。
これは少々飛びすぎな妄想だと思いますが、まったく逆のパターンでも成立したのでは?と思わざるをえません。(笛吹がいなくなることにより、笹塚が整然とした組織の指揮をとるとか)


なんだか、勢いで書いてまとまりがあまりなくなってしまいましたが、最近のネウロの面白さは半端ないです。今のジャンプで一番続きが気になる漫画です。きちんと終わりに向かって話が進んでいるからかな。
展開もクライマックスですし、このままネウロらしくすっぱり終わってくれればとても満足です。終わることを望むのも変ですが、本当に好きならこれ以上の引き伸ばしは必要ないでしょう。